大阪市新採用者フォローアップ研修

オンライン世代が“つながる”ための、体験から学ぶ1日


概要

令和4年度、大阪市職員人材開発センター主催の新採用者フォローアップ研修にて、全9回・計約700名の新規職員に対し、体験型グループワークを中心としたプログラムを実施しました。

春に実施された新規採用者研修はオンライン形式だったため、対面での人間関係構築や、リアルな場でのチームワークの経験が乏しい状況が見られました。本フォローアップ研修では、その課題に対し、コミュニケーションスキルの実践、チームワーク体験、心理的安全性の醸成を軸に学びの場を設計しました。


実施概要

  • 対象:令和3年4月〜令和4年3月に採用された新規職員(事務・福祉・専門職等)
  • 人数:約700名(9回に分けて実施)
  • 会場:大阪市職員人材開発センター
  • 形式:ラボラトリー方式による体験学習(グループワーク中心)
  • 時間:9:00〜17:30(1日研修)

研修の目的と構成

目的

  • 採用から半年の業務経験をふりかえり、自己の成長と課題を自覚する
  • チームで働くための基本的なヒューマンスキル(傾聴、自己開示、フィードバック等)を体験的に学ぶ
  • マインドフルネスを通じて、自己理解と感情マネジメントの土台を整える
  • キャリア形成の意識を高め、主体的な行動変容につなげる

内容(一部抜粋)

時間帯内容
午前チェックイン(自己紹介・価値観の共有)/チームワーク演習(フラフープ実習)/グループプロセスの理解と分析
午後マインドフルネス実習/対話力トレーニング(傾聴・フィードバック)/シェアドリーダーシップ演習/リフレクションと振り返り

特徴的な設計

  • 心理的安全性の醸成:チェックイン・価値観共有など、安心して対話できる土台づくりを丁寧に実施
  • シェアド・リーダーシップ:役職や序列ではなく、場に応じたリーダーシップの発揮を体験
  • 自己理解と成長実感:内省(リフレクション)を深める問いかけと共有の時間を複数配置
  • マインドフルネス導入:呼吸と身体感覚に意識を向け、セルフマネジメントの感覚を体得

受講者の声(抜粋・詳細)

「入庁してからずっと、マスク越し・画面越しの関係だったので、今日初めて“つながった”感じがした」
「失敗しても大丈夫という空気があったので、安心して発言できた」
「チームワークの実習で、最初は遠慮していたが、話し合ううちに役割を超えて助け合えるようになった」
「シェアドリーダーシップの体験で、フォロワーとしての関わり方にも気づけた」
「普段の業務で悩んでいたことが、他の人も同じように感じていると知り、安心した」
「マインドフルネスは初めてだったが、短い時間でも自分の心の状態に気づく体験ができた」
「ポジティブフィードバックを実践する中で、場が明るくなっていくのを実感した」


担当講師

  • 広瀬 義浩(合同会社チーム経営 ファシリテーター)

研修の成果と今後に向けて

オンライン中心の新規採用研修では得られにくかった「対話による学び」や「感情の共有」を、対面かつ体験的に補うことができました。受講者自身が場をつくり、気づきを得ていくプロセスは、行政職に必要な主体性と協働力を育む基盤となります。

今後も、対話・体験・ふりかえりを軸としたこのアプローチを、多様な職場や組織に広げていきたいと考えています。

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