ラボラトリー式体験学習とは

私の研修やワークショップベースであるラボラトリー式体験学習について説明します。

人間関係・集団の中での「今ここ」の体験を通して、気づき・成長・変容を促す学習方法です。Tグループ(トレーニング・グループ)を原型とし、以下のような特徴を持ちます。

  1. 特別に設計された小集団
    5~10人程度の参加者で構成され、日常とは異なる“安全な実験室(ラボ)”のような場で関係性を探求します。
  2. 「今ここ」で起きることを題材にする
    参加者同士のやりとりや感情、反応といった「今」のプロセスを素材として扱います。
  3. 自己理解と他者理解の深化
    「自分がどう反応したか」「他者からどう見えたか」などをふり返り、自己のあり方に気づくことを促します。
  4. 感情・行動・思考の相互作用を扱う
    表面的な会話ではなく、「なぜそう感じたのか」「どんな意味を見出したのか」といった深い内省が中心となります。
  5. ファシリテーターがプロセスを支援
    意味のあるふり返りや気づきが起きるように、プロセスに寄り添い、場を見守る専門家が同伴します。

この方法は、リーダーシップ開発、チームビルディング、カップルの関係性向上など、関係性に深く関わる場面で非常に有効です。

ラボラトリー式体験学習の流れ-体験したことは忘れない!-

具体的な体験(やってみる)

5~6名のグループで、いろいろな課題に取り組みます。ゲームのように楽しめるものや、実際の仕事を意識したものもあります。

■課題例
与えられた素材を用いて、タワーを作ることです。タワーはできるだけ高く、できるだけ安定したものを製作してください。製作終了後、タワーの名前と特徴(アピールポイント)をプレゼンテーションしていただきます。

体験の内省と観察
(おこったことに気づき、考える)

体験を振り返り用紙に書く
実習中、何が起こったのか、自分がどう感じ、何をしたのかを振り返って整理します。実習中のグループプロセスに気づいたり、必要な役割に気づいたり、自分やメンバーの言動がどのように場に影響をあたえたかに気づきます。

概念化と一般化
指摘・観察したことの共有

他者からどう見えたか、自分はどう見ていたかを交換し、多角的な視点で体験を捉え直します。
 なぜそのように感じたのか、自分の行動の背景にはどんな思い込みや価値観があったのかを掘り下げます。内省します。

新しい行動に向けての仮説化
(次へのつなぎ)

得られた気づきから、「今後どうするか」「他の場面でも活かせるか」「現場でどう活かすか」など、行動変容のヒントを導き出します。

一般化

ファシリテータからの小講義
学習者の学びをサポートするために、このワークを構成している、理論やモデルを提示する。

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