
組織に“対話”を取り戻す
あなたの職場には、気軽に話せる空気がありますか?
「お疲れさま」「ちょっと相談していい?」「さっきの会議、どう思った?」
そんな一見“なんでもない”やりとりが、職場から消えていませんか?コロナ禍を経て働き方が多様化し、テレワーク、フレックス、時短勤務などが進んだ一方で、組織の中で人と人とが「対話する文化」は、急速に消えているように感じます。
しかし、気軽に真面目な話ができる場や関係性がなければ、信頼は育たず、創造性は生まれません。対話がない組織には、未来は育たないのです。
なぜ“対話”が必要なのか?
かつての職場には、喫煙室、休憩室、飲み会など、自然と人が集い、ザッソウ(雑談と相談)ができる「場」がありました。
業務の合間に雑談が交わされ、意見のすり合わせや本音の共有が、無意識のうちに行われていたのではないでしょうか。
いまはどうでしょう。
・会議は報告だけで終わる
・メールやチャットで“済ませる”
・そもそも他部署の人と顔を合わせる機会すらない
こうした職場では、意見の違いをすり合わせたり、共通の目的を探ったりする“対話のプロセス”が消えてしまいます。
ダイアログとは何か?

私たちが目指す「対話」は、単なるおしゃべりではありません。
ピーター・センゲらが定義する「ダイアログ(dialogue)」とは、
自分の考えを開示しつつ、他人の考えにも耳を傾け、評価や判断を保留しながら、共に探求するプロセスです。
つまり、「正しい答えを出す」のではなく、違いを尊重し合いながら、新たな意味や視点を共に見出していく営みです。
雑談の“効能”を侮るな
ある精神科医による調査では、職場に信頼できる関係がない人は、心臓発作のリスクすら高まると言います。逆に、職場に親友がいる人は、いない人に比べて7倍も仕事に前向きというデータもあります(Gallup社調査, 2007年)。
つまり、「ちょっとした会話」や「雑談の場」は、
• 組織の活力
• 心の健康
• イノベーションの土壌
に直結する“インフラ”なのです。
対話文化をどう取り戻すか?
気楽に真面目な話ができる「場」と「関係性」が必要です。以下のような仕掛けを、意識的に設けていくことが求められます。
例
- 雑談が許されるスペースの再設計(給湯室、ラウンジなど)
- 業務以外の話ができる時間の明示(朝会や1on1の工夫)
- オンライン雑談チャンネルの活用
- 心理的安全性を高める研修
- ワールドカフェなどの対話ワークショップ ⇒ 事例ページがあります。
- オンライン雑談コミュニティ「コマイニンググループ」⇒ コマイニンググループのページ
最後に──対話のない職場に、イノベーションは生まれない
「ディスカッション」は議論の場、「ダイアログ」は探求の場。
今、組織に必要なのは、意見をぶつけあって白黒つける場ではなく、違いを持ち寄り、問いを深める場です。
私たちは、組織に「対話の文化」を取り戻すために活動しています。
あなたの職場では、どんな工夫をしていますか?
休憩室の使い方、朝の雑談、1on1ミーティングの進め方──ぜひ、あなたの実践も教えてください。
対話のワークショップなど
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